「なのはなだより」より抜粋記事の掲載です。

 

なのはな園では、ヴァルドルフの森の会報「なのはなだより」を

年3回発行しております。

 

今日は「なのはなだより」2009年発行/41号より

なのはな園教師による記事を抜粋して掲載したいと思います。

 

子どもの聴く力をいかにして育てるか、ぜひご一読ください。

 

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子どもの聴く力を育てる

なのはな園教師 松浦 園

 

みなさんは一日の生活の中でどれくらい静けさを感じていますか?

子育て中のお母さんにとっては、家族がみな寝静まった夜のひとときでしょうか?

それとも誰よりも早く起きた朝の光の差し込む時間でしょうか?

ではあなたのお子さんは、どれくらい静けさを感じることができていますか?

 

「きく」ということには2つの意味があります。聞こえてくる音や声を受動的に「聞く」ことと、自らの意志をもって能動的に「聴く」ことです。全身で外の世界を感じ吸収している乳幼児は、周りの環境から発せられるいろいろな音や声を「聞いて」います。一方大好きなお母さんが語ってくれるお話は、きこうとして「聴いて」いるのです。

最近の多くの子どもたちが持っている傾向として、聞こえてくる音に対してはとても敏感に反応しますが、聴くべき時には、なかなか集中して聴けないという様子が見られるようになってきました。しかし、これから大きくなる子どもたちにとって「聴ける」ようになることはとても大切なことなのです。「聴く力」を育てるために、乳幼児期に配慮すべきことは何かを考えてみましょう。

 

現代の都会生活では、多くの大切なものが失われていますが、静けさも失われつつあるもののひとつです。かつて、昼間は仕事や活動の時間であり、夜は睡眠のための時間でした。ところが今は24時間営業のスーパーやコンビニができ、夜中でも人々は起きて仕事をしていたり、テレビを見たりしています。

乳幼児の平均起床時間、就寝時間もだんだん遅くなってきているようです。以前は、ほとんどの人が同じリズムで生活していましたが、最近では仕事やライフスタイルによって、生活リズムが様々になってきたため、誰もが寝静まっている時間はほとんどなくなってしまいました。夜中でも車が走り、人が話しながら歩く姿が見られるようになりました。

また、家の中ではたくさんの電化製品が音を出しています。洗濯機や湯沸しポットのブザー音、扉が開いてることを知らせる冷蔵庫、電話機やお風呂の操作案内音声、掃除機はコードを差し込んだだけで音を出すものがあります。つまり、新生児が産院から家庭に戻ると、すぐに多くの音に囲まれるようになるということです。

そしてこの音に溢れた環境は人間のあり方も変えてきたのではないでしょうか。携帯電話の普及により、人はいつでもどこでも話すことができるようになりました。歩きながら携帯電話で話している人の姿は普通に見られるようになり、町に人の話し声も溢れています。「人に聞かれると恥ずかしい」という意識は薄れ、話し声も大きくなり、早口になってきました。

 

このように、子どもたちの育つ環境には音や声が溢れていて、これら全てを感じ吸収しているのです。最近、子どもたちの声が大きくなったと感じることはありませんか?昔から子どもたちの遊ぶ声は、賑やかで楽しいものでしたが、最近の小学生が学校から帰るときの声を聞いていると、話し声の範囲ではなく、お互いに叫びあっているような大きな声になっています。また、「キャー」「ヒュー」という奇声も多くなりました。電車に乗れば、発車のオルゴール曲、電車の走る音、止まる音、車内のアナウンスなど、たくさんの音が聞こえます。これらの音はすべて、機械的に発せられているものです。「切符ください」「どこまで行きますか」というお客さんと駅員さんのやり取りには人と人との通い合いがありますが、アナウンスは一方的な電子音声でしかありません。電車ごっこではこの電子音声を模倣して、声の質、イントネーション、間の取りかたなどをそのまま再現しています。子どもの声が大きくなり、声でない音が含まれるようになったのは、今の社会環境をそのまま表しているのではないでしょうか。

「きく」ことを支えるのは静けさの体験です。私たちは静けさの中で、自分を感じることができます。騒音の中では感覚が外の世界に引き出されているので、自分を感じることができないのです。子どもたちの「聴く力」を育てるためには、まず、静けさを体験することがとても大切です。これからの時代は、静けさを意識して作らなければならないでしょう。一日の内にこの時間だけは静かな時にしようと決め、携帯電話も鳴らないようにして親子で静かなひとときを持ってみましょう。特に就寝時は、静けさが安らかな眠りへと導いてくれます。忙しい大人にとっても、きっといい時間になることでしょう。

 

さて、静けさを体験するために、いかにしてその静けさをつくることができるのでしょうか?

 

♪しずかに しずかにしていると 天使の声が きこえてくるよ♪

 

なのはな園ではおやつやお弁当の前にそっと胸に手を当ててこの歌をうたいます。それまでおしゃべりしていた子どもたちは、この歌が聞こえると一緒に歌い始めます。この姿は未就園児親子のためのつぼみクラスのおやつの時にも見られます。

おやつやお弁当の前は、「今日のおやつは何かな」「お弁当には○○が入っているよ」などと、子どもたちは口々に楽しそうに話し、なかなか賑やかですが、この状況から食前のお祈りに至るには、静けさが必要になります。「静かにしましょう」と言うことは、言葉で伝えることになります。幼児の場合、静けさを言葉で生み出すことはできません。よく口元に人差し指を当てて「しっ〜」と言うことがありますが、たいてい何人かの子どもがこの仕草を真似て同じように「しっ〜」と言い、結局静かにはなりません。言葉での働きかけは、より目覚めさせて子どもの言葉を引き出してしまうことになるのです。やさしい声で静かに短いフレーズの歌をうたったり、教師が穏やかにそこにいて、何も言わずに手遊びを始めたりするほうが、子どもにとっては静けさを感じやすいのです。

また、就寝前には部屋の明るさを落としたり、ろうそくを灯すような環境を作ることでも静けさを生み出すことができます。

 

さらに聴く力を育てるために大切なことがあります。

 

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この記事には、続きがあります。

一部300円にて販売しておりますので

ご希望の方はこちらよりお問い合わせくださいね。

 

また、6月9日(土)9:30〜より説明会を予定しております。

説明会でもご購入いただけますのでどうぞお声がけください。

 

なのはな園の説明会では、園での過ごし方はもちろん

上記のような、園で大切にしていることについてもお話しています。

 

ぜひ皆さまと素晴らしいご縁がありますよう。

 

お越しをお待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

 



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